青汁は明日葉入りがおすすめなわけとは？

ケールと明日葉、栄養素はこんなに違う！

ケールと明日葉は野菜の中でもずば抜けて栄養価が高く、青汁の主原料としてよく使われます。それぞれの野菜には実際どんな成分がどのくらい含まれているのでしょうか。

代表的な栄養成分について100g当たりの含有量を単位と桁別に3つの表に分けて比較してみました。

3大栄養素と食物繊維

たんぱく質・脂質・炭水化物という3大栄養素は、体を作り、動かし、必要な栄養素を隅々まで運ぶための重要な役割を果たしています。いずれも適量を摂ることが望ましく、摂りすぎは逆に体に負荷をかけることになりますが、特に脂質には注意が必要です。また、食物繊維は腸内環境や代謝の改善など健康を保つために重要な役割が多く、できるだけ摂りたい栄養素の1つです。グラフ1を見てみると、脂質の含有量のみケールの方が勝っていますが、その他については明日葉強しですね。特に食物繊維については明日葉の含有量はケールの1.5倍です。

ビタミン類

ビタミンB1は炭水化物を、B2は脂質をそれぞれエネルギーに変換する、B6は脂質やたんぱく質の代謝を助けるといった重要な働きをそれぞれもっているほか、その他のビタミンB群を含めて協力して行う様々な重要な役割を担っています。一方、ビタミンEには抗酸化作用があり、生活習慣病の原因となる過酸化脂質が作られるのを防ぎます。この4つのビタミンについても、グラフ2を見るとB6がほぼ同量である以外はすべて明日葉の含有量が勝っていますね。

ビタミンC

ビタミンCは、動脈硬化の予防や抗ストレスホルモンの生成、コラーゲンの生成、免疫力アップなど、生活習慣病を防ぐための重要な役割を果たします。またカリウムは筋肉の機能を正常に保つほか、高血圧の予防やむくみ解消、夏バテ回復などにも役立つ成分で、リンとカルシウムは共に骨や歯を丈夫にして、イライラ解消にも効果を発揮すると言われています。グラフ3ではビタミンCおよびカルシウムについては、ケールの含有量が明日葉に比べてかなり多くなっていますね。カリウムとリンについては明日葉が勝っています。

大麦若葉、ケール、明日葉、おいしいのはどれ？

では今度は青汁によく含まれる原材料について、味の面で比較してみましょう。味の感じ方や好みには個人差があるため、上記の栄養素のように明確な差異を見てみることはできませんが、「まずい！もう一杯！」のCMで知れ渡った「まずい青汁の味」のイメージを作って来たのはケールです。独特の苦みと青臭さがあります。

では明日葉はどうかというと、地方によっては天ぷらやバター炒め、おひたしなどで日常的に食される野菜です。苦みと甘みを併せ持ちながらスパイシーで独特な味ですが、これがたまらないというファンは多いですね。香りが高いのも特徴です。

では大麦若葉はどうでしょうか。大麦若葉を主原料とした青汁は、ケールと比較するとクセがなく飲みやすいと評判です。ケールや明日葉を主原料として作られた青汁の味をマイルドに整えるためにブレンドされることも多いですね。

総合すると、ケールはまずくて青臭い、明日葉は独特の苦みと甘みがあってスパイシー、大麦若葉は味や匂いにクセがなくおいしい、という評価が一般的のようです。

栄養価も飲みやすさも重視する人には

かつてはケールを使った青汁が主流でしたが、今では主原料もブレンドされているその他の野菜も様々で、それぞれに味や成分が異なります。上記の栄養成分のグラフを見てみると、栄養価を重視するなら明日葉がおすすめです。味も好みが分かれるところではありますが、明日葉の独特の複雑な風味がたまらない、というマニアも多いようですね。ただしやはり苦みやスパイシーさが苦手といった声もチラホラ見受けられます。

味単体で考えるとやはり大麦若葉が広く一般受けする飲みやすさだと言えるでしょう。ただ大麦若葉は鉄の含有量は多いものの、ビタミンC、E、カロテン、カルシウムの含有量についてはケールおよび明日葉を下回り、食物繊維も明日葉には適いません。

もろもろを考慮すると、明日葉に大麦若葉がブレンドされたものが栄養価と飲みやすさの両方をクリアしていると言えるのではないでしょうか。そこに桑の葉がブレンドされたものも市販されていますが、甘みが増してお茶感覚で飲めるのが特徴です。青汁を初めて飲む人、またはケールの青汁がまずくて飲めなかったという人には特に試してみて欲しいと思います。